横浜市議会議員 公明党所属 仁田まさとし
シャープな感性、ホットな心 仁田まさとしの議員活動をご報告します。
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■ 横浜市営バス路線の再編問題を振り返って思うこと

  平成19年度からは、横浜市からの任意補助金を廃止し独立で収支均衡させて経営することを迫られている横浜市交通局は、局長(中田市長は社長と呼びますが)を先頭に経営改革を進めてきました。全ての手当を廃止し、勤務形態や給与体系も見直した上で、本年夏にバス路線の再編案を示しました。
いきなりの発表は、路線周辺の住民を極めて不安に陥れました。その不安をことさら、必要以上に煽るような活動も惹起され、再編案の是非に関する冷静な議論を妨げる一因ともなりました。
私の住む南区でも、丘陵地帯を通る11系統の廃止、地下鉄駅までに路線短絡する79系統、他の系統との統合により一部廃止となる68系統などがあり、地域の皆様の署名や要望活動も活発に展開されました。
私は、9月の横浜市会第3回定例会の本会議で11系統の路線確保を訴えるとともに、横浜市としての交通体系全体のビジョンを示した上で個別路線の議論をすべきであると質したのを皮切りに、その後の委員会などでも執拗に追求しました。
結果としては、11系統は、創設された横浜市生活交通維持制度により、このほどバス事業者が神奈川中央交通(株)に決定し、明年4月からは起点終点、本数ともこれまでと同様に運行されることになりました。また、79系統と68系統は2年間の暫定運行が決まりました。
「窮鼠猫を噛む」という諺がありますが、大事な顧客である市民を窮地に陥った交通局が後先考えずに噛んでしまったような気もします。「市民のための交通局」であることを努々忘れてはなりません。
一方で政治家のとる態度も重要です。政治は市民に安心を生活にもたらすもので、不安を煽るものではないと思います。勿論、時に爆発する怒りも必要ですが。
課題を明らかにして、解決に向け方向を示し現実的な仕組みを構築することが必要です。全てこれまで通りでなければ是としないことは問題を硬直させます。あえてそのように主張し運動する勢力も見られますが、それは市民にとって迷惑な行動です。
時代は大きな変化を求めていることもあり、社会の様々な仕組みに改革が求められているのも事実です。
その中でも、常に市民と同じ目線に立ち、生活現場主義で解決への道を歩みたいと深く決意しています。