横浜市議会議員 公明党所属 仁田まさとし
シャープな感性、ホットな心 仁田まさとしの議員活動をご報告します。
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■ 行動する平和主義へ

イラク攻撃に一つの視座

いよいよ激しさを増すイラク戦争。
神崎代表の訪米、浜四津代表代行のジュネーブ・イラン訪問など、最後まで平和的解決のための独自の努力を思うと極めて残念であり悲しむべき事態です。世界各地で「反戦運動」が起きるのも当然だと思います。一刻も早い終結と日本の人道支援を念じています。しかし、国連の678・687・1441決議などの解釈に終始する国会議論の場面や、解決策を示すことのない「戦争反対」の政党ポスターを見ると、ますます「平和」のために真剣に悩み、「平和」のために行動することの大切さを痛感します。
  そんな折、劇作家であり東亜大学長の山崎正和氏へのインタビュー記事を読みました。とても示唆に富む内容であり、その一部を要約し紹介します。

 山崎氏は、サダム・フセインのイラクはその残忍さでは北朝鮮以上の「ならず者国家」であり、非はイラクにあると断じています。(スプーン一杯で200万人の殺傷能力を持つ炭疎疽菌やサリンなどの毒ガスを持ち、クルド人を数万人虐殺しています。)
冷戦後の世界においては、政治事件や国の行為について、その道義性を一つひとつ手作りで形成し、判断しなくてはならない。ある野党党首はテレビで“日本が米国を支持するといっても何もできないではないか”“自衛隊でも送って戦争をするのか”とあざ笑っていたが、この発言こそ国際政治を全くわかっていない証拠であり、米国は日本の参加など思っていない。道犠牲の支持、精神的な支持をこそ求めていると述べています。
  さらに山崎氏は、これまでの米仏衝突の背景にあるものに言及します。
全会一致で採択された1441決議の精神は完全に一致していた。その後の両国の対立を再点検してみると、両国ともに“らしからぬ失敗”を犯していたことがわかる。米国は、決議1441の解釈で曖昧な態度をとってしまった。国際政治の重大な合意について、新しい決議を“なくてもいいがあった方がいい”とは、混乱を招くだけで極めて稚拙と言わざるを得ない。フランスも、査察継続を主張しながら、実効性ある具体的提案を示さなかった。真に意味のある査察を実現しようとすれば、イラク当局納得の上、相当規模の国連軍を平和裏に進駐させ、イラク共和国防衛隊の内部まで入り込んで調べ上げねばならない。後のフランスの国連軍の進駐という提案は具体性に欠けるものだった。もし、国連軍の進駐による徹底的な査察を、現実可能なプランとして提示すれば、軍事行動の開始を延長させることが可能だったはずと山崎氏は考察。
  そこで重要なことは、両国がなぜその外交姿勢にこわばりを示し、戸惑いを見せたのか、このことを見極めることだ。それは、冷戦崩壊後のこの10年間のうちに世界がひそかに一変していまい、しかもその「新しい現実」をどう受け入れるかということに、米仏両国のみならず世界中が迷っているからということになると山崎氏は解釈する。今度のイラク戦争とは、まさにこの「新しい現実」を上手に受け入れて、それをみんなで上手にコントロールしていくという、その覚悟と態勢がまだできていないときに起こった事件にほかならない。
  そして山崎氏はさらに、その「新しい現実」の正体について論じていくのであります。

  ともあれ、難民支援・人道支援に全力を尽くすことが日本の役割です。変わりつつある国際社会のあり方の中で、平和を造るためにどう行動するのかが求められます。
横浜市も行動するピースメッセンジャー都市を目指すべきと考えます。