横浜市議会議員 公明党所属 仁田まさとし
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■ 横浜みどり税条例が制定されました

 平成20年第4回定例会において、様々な議論の末「横浜みどり税条例の制定」議案が、議会からの付帯意見を付して自民・民主・公明・民ヨコ等の会派による賛成多数で可決されました。これにより、個人市民税の均等割りに年間900円、法人均等割り分の9%が、5年間にわたり上乗せされ徴収されることになります(平成21年4月施行)。

 付帯意見は、@行政改革、A市民協力・協働、B更なる財源確保、C制度の周知徹底、D情報公開、E2年後の欠損法人への配慮となっています。

 採決に先立ち公明党横浜市会議員団を代表し、手塚静江議員が議案 に賛成する立場から討論に登壇しました。

■賛成討論

 我が党では、「横浜みどりアップ計画新規・拡充施策の素案」、「税制研究会の最終報告」が提出されて以来、各議員による広聴活動を通じて、多くの市民の方々からご意見を頂戴し、それを踏まえこの間、団会議、団広聴集約会議等で、徹底的に議論を尽くしてきました。
 先の議案関連質疑において、我が党の牧嶋議員から、「50年前、開港百周年の当時、横浜の緑被率は50%強と想像され、まさに緑あふれる町並みであった」との述懐がありました。
 横浜開港150周年を明年に控えた今、横浜市の緑被率は約31%となり、その大きな要因として、人口の急増等、都市の発展にともない、自然が損なわれてきたことが挙げられます。
 今を生きる私たちの大きな責務として、後世の市民に横浜の緑を送り届けるため、横浜みどりアップ計画新規・拡充施策の取組は、多くの市民の方々もその必要性を認めているところであります。
 横浜みどりアップ計画新規・拡充施策には、樹林地について相続等の不測の事態に対応した買入れ、さらには、社会問題化しつつある都市農業の保護・育成という大きな課題に対して、具体的な対応策が盛り込まれており、そのためにも安定的な財源が必要であることは理解するところであります。
 本年5月と8月の二回にわたるアンケートの結果を見ても、緑の保全・創造について、市民の皆様が強い関心をお持ちであることを改めて認識するとともに、その財源としての税負担についても、前向きなご意向が伺えたところです。
 しかし、その後、米国のサブプライムローン問題に端を発した世界的経済不況が我が国を飲み込み、10月末に実施された本市の景況・経営動向緊急調査でも、市内企業の多くが円高や株価下落により経営を圧迫されていると回答するなど、市内経済の状況は大変厳しいものとなっています。また、先行きについても、不透明な状況が依然として続いています。
 このような大きな状況の変化を受け、10月から11月にかけて行われた市民意見募集では、みどりアップ計画新規・拡充施策には、引き続き賛同があったものの、税負担については、大変厳しいご意見も寄せられました。
 しかし、緑を保全し、創造することは、今を生きる私たちの責務であり、みどりアップ計画新規・拡充施策の一刻も早い着手と着実な取組によって、「将来」に向け、緑の環境保全対策を推進することと同時に、大変厳しい経済状況という「現実」も十分に考慮していく必要があり、そのバランスをどうとっていくか、市民の皆様の思いを真摯に受け止め、我が党としても、徹底的に議論を尽くしてきました。
 その結果、みどりアップ計画新規・拡充施策を着実に進めるための財源確保の重要性を十分に認識する一方で、市民に過大な負担をかけないために、税制研究会の最終報告での試算額である、個人で年間一律1,300円を大幅に下げ900円と設定したこと、さらに、我が党が提案していた、市民税が非課税となる低所得者の方々や、利益計上していないいわゆる欠損法人に対しては課税しないことなどを踏まえ、上程された議案について、大枠の賛意を持ちながら議論に臨んだところであります。
 本会議の議案関連質疑においては、市民税額により算定される国民健康保険料が、超過課税と連動し増額されることがないよう対応を求めたところ、市長より、影響が及ばないよう、来年、横浜市国民健康保険条例の改正についての考え方が示されたところでもあります。
 また、これまでの委員会等においていくつかの重要な指摘をしてきました。
 まず、市民の皆様に新たな負担を求める以上、何よりも行政によるたゆまぬ財源確保への努力が必要であり、こういった観点から、「行政改革をいっそう推進」することが極めて重要なことであります。
 さらに、法人に対する特例措置は2年間とされており、本市の経済状況によっては、3年目以降も柔軟な対応をとっていく必要があることから、「免除期間経過後の経済状況等に十分配慮し、必要に応じ柔軟な対応を検討す」べきと考えます。
 また、みどりアップ計画新規・拡充施策を実りあるものとし、成果を上げていくためには、市民の皆様に理解され、協働で取り組みを進めていくことが欠かせません。こうした観点から、「緑の重要性・役割の大きさを多くの市民が共有できるよう、土地所有者も含めた広範な市民協力の輪を広げ、横浜の緑を守り育むための協働の取組を推進する」必要があります。
 あわせて、「横浜みどり税の目的、内容について、今後も引き続き、法人も含めた市民の方々への周知の徹底を図ること」も円滑な執行のために重要であります。
 以上のことを付帯意見として付すことで、今回の議案に賛成いたします。
 これらの付帯意見の趣旨を十分踏まえ、広く市民の皆様の理解を得て、みどりアップ計画新規・拡充施策が着実に実施されていくこと、その結果を市民の皆様が実感できるような取組が進められることを期待するとともに、市民の皆様に負担をお願いする以上、議会としても定数削減等を含めた議会改革に向け、さらなる取り組みを進めていく決意であります。

 明年の第1回定例会には、徴収された税が横浜みどりアップ計画(新規・拡充施策)の執行のための財源として確保されるための基金と特別会計の設置が提案される予定です。